<由来等>
山でとれるのが山芋で、里でとれるのが里芋、その里芋の最高級品が海老芋です。普通の里芋と比べると、きめ細やかで甘味に満ち、「いも」としての存在感
にあふれています。煮込んでも形が崩れず、中まで味がよくしみこむことから、煮物には最適で、懐石料理やおせち料理には欠かすことのできない食材となって
います。
里芋は縄文時代中期に伝来し、わが国では稲より古くから栽培されていますが、海老芋は、江戸中期に青蓮院の門跡が長崎から持ち帰ったものを、平野権太夫
が栽培してつくりあげたものです。海老のように反りがあり、縞模様まであったので、その名がついたようです。平野権太夫は、円山公園にある京料理店「いも
ぼう平野家本家」の祖先で、海老芋も当然のように京野菜ブランドに名をつらねています。ただ、何度も土寄せをするなど、栽培に手間がかかることから、いま
ではその8割以上が静岡県で生産されています。
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